他不是吾 更待何時
事業テーマの『他不是吾 更待何時 ~今できること~』について少し説明します。
書き下し文にすると、「他はこれ吾にあらず 更に何れの時をか待たん」
読みは、「たはこれわれにあらず さらにいずれのときをかまたん」となります。
この言葉は道元禅師の書かれた「典座教訓」という本の中に出てまいります。
若き日の道元禅師が中国の禅寺で修行中のこと、ある暑い日、一人の食事係【禅寺では典座(てんぞ)といいます】の老僧が庭でキノコを干していました。
背中は曲がり、眉は真っ白です。
道元禅師は、あまりに大変そうなので、誰かに手伝わせてはいかがか?と話しかけました。
それに対し老僧は「他はこれ吾にあらず」と答えます。
道元禅師は更に、ではこんな暑い時ではなく、もう少し涼しい時に仕事をされては?と言います。
老僧の答えは、「更に何れの時をか待たん」というものでした。
この言葉を聞き、道元禅師は修行の何たるかを悟る事が出来たとのことです。
自分に任された役割を他の者にさせてしまっては、それは自分の修行ではない。
今やるべき事は今やらなければいけない。人生の時間は刻一刻と過ぎ去っていく。繰り延べしている余裕はない。
「他はこれ吾にあらず 更に何れの時をか待たん」という老僧のこの言葉は、禅の心、禅の修行の何たるかをまことに端的に表しています。
人生の「時」は休むことなく常に流れ続けています。
大変なことは人任せ、面倒はいつでも後回し。
これでは、時の流れに引きずられていくようなものです。
自分でやったこと、やらなかったこと、全ての結果は自分に返ってきます。
逃げずに前を向き 、時を大切に、人生を大切に。
会員一同、心に刻んで活動していきたいと思います。
大会長挨拶
昭和45年6月に静岡第三宗務所管内の熱い想いを持った青年僧侶たちによって発足された静岡第三同志会(以下、同志会)も昭和・平成・令和と時を重ね、50年という大きな節目を迎えました。
テーマを「他不是吾 更待何時 ~今できること~」として活動します。青年僧侶として「今できること」を真剣に考え、現実から目を背けずに前を向き、一生懸命に行動をしていくことが最も必要であると考えます。
一年間という長丁場で活動をしてまいります。どうぞ宜しくお願い致します。
静岡第三同志会創立50年大会事業
2020年(令和2年)、静岡第三同志会は創立50年を迎えます。この節目に当たり、創立50年大会、並びに大会事業を行う運びとなりました。
今回の大会事業テーマを『他不是吾 更待何時 ~今できること~』として、自分自身が今現在できることを精一杯務めていくことが大事であると考え、一年間を通じて、毎月様々な事業・研修を行って参ります。
その様子を公開していきたいと思います。